基本的な考え方

 

ご存知の通り、視聴率とは、ビデオリサーチ社が提供する世帯視聴率の推測値のことです。ここでは、視聴率の基礎中の基礎に関しては説明しませんので、推測値で?となった方はリンクの視聴率ハンドブックをご一読ください

 

ビデオリサーチ社 視聴率ハンドブック

https://www.videor.co.jp/rating/wh/

 

いろいろご意見があると思いますが、基本的にこの測定方法、推測値の信頼度はかなり正確です。また、きちんと出されている数字だからこそ、視聴率を獲得する為の対策が立てられる、と思っています。視聴率ハンドブックに書かれていることの補足としては、調査世帯のサンプリング手法が挙げられます。調査対象に該当した世帯に、郵送またはポスティングで視聴率調査の協力依頼書が届きます。その用紙には協力内容や謝礼について書かれていて、協力できるようであればその旨を返信し、その後手続きが進みます。首都圏での測定はテレビに測定器を設置し、専用のリモコンで女性の25歳だとしたらF1のボタンを押してからチャンネルを押し、1回押す毎にいくらかの協力費が発生します。きちんとボタンを押して視聴すれば1世帯あたり月3,000円〜5,000円程度の協力謝礼費が貰えるようです。実は、かつてテレビ朝日に勤務していた時代に実際に私のマンションのポストに視聴率調査の協力依頼が来たことがあり、詳細が書かれていたのを覚えています。(マスコミ関係者はその後の審査で落とされてしまう為、返信はしていません)

 

※つい最近、ビデオリサーチ社からWOWOWの視聴率調査の依頼が家に届きました。なぜか、こういったものに当たりやすい性質のようです。テレビの場合は25000世帯に1世帯なので(世帯の変更はあるので選ばれる確率はもっと少ない)結構な確率です。

 

では、この視聴率調査に協力する世帯とは、どんな特徴を持った世帯なのでしょうか。人は基本的にアンケートや営利企業の調査に前向きには協力しません。更に、主催がビデオリサーチなる一般的にはあまり知られていない企業であり、好きな番組や好きなタレントをよく知らない営利企業に知られてしまう(例えばアイドルオタクであることが第3者にバレる可能性がある)ことに対して拒否反応を示す方もいることでしょう。またチャンネルを変えるたびにいちいち余計なボタンを押す、というのも「面倒さ」という意味ではデメリットと受け取られます。

 

さらに、多少お金に余裕のある世帯は3,000円〜5,000円の謝礼でプライベートを切り売りする、なんてことはしないのではないでしょうか。

 

つまり、視聴率を算出する上の実際の対象世帯は、多少面倒な作業であり、個人の趣味が他人に知られることのリスクよりも、月々の収入を優先する世帯である可能性が高い、と言えるかもしれません。ましてや、世帯年収が3000万円以上、保有する金融資産(不動産を除く)が1億円以上のような富裕層の世帯は、まずいないと考えて間違いないと思います。ごく一般的な平均的な世帯と、ビデーリサーチ社のが調査対象にしている世帯は、若干のズレがあるような気がします。

 

また、テレビ離れが叫ばれて久しいですが、この調査にテレビを持っていない人、テレビを見ない人が協力するとは思えません。テレビを見ない人は、リモコンのボタンを押さないわけですから、当然協力収入が減る、もしくはゼロになる仕組みだからです。つまり、この視聴率調査はサンプル世帯がテレビを見ている人に偏ったデータを集めている可能性があります。実際に現れている視聴率の下落以上に、そもそもの視聴者数が大きく減少している可能性があることにも注意が必要なのではないでしょうか。

 

テレビを見る世帯(多)   
テレビを見ない世帯(少)

テレビを見る世帯(多)から600世帯抽出

 

テレビを見る世帯(少)   
テレビを見ない世帯(多)

テレビを見る世帯(少)から600世帯抽出